湯西川温泉訪問記

さて、先日の温泉を訪問記風に詳しく書いてみる。
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今年の秋に、ある取材で栃木に湯西川温泉というところがあり、そこが平家落人の里であると聞き、どうしても行きたくなった。栃木は鬼怒川の先の川治温泉を定宿としており、何度か通ったものだが、湯西川はその少し先にある。

車で行く予定だったが、路面の凍結が気になり、天気予報を見たり宿に電話を入れたりしていたのだが、宿の方から「ここは日光というよりも、新潟の転校に近いんです」と言われて、長岡や魚沼の天気を見ると、12月27日から大雪となっている。電車で行くとえらい時間がかかるし、交通費もかなりかかる。迷った末に、鬼怒川温泉駅前の駐車場に車を置いて、そこから電車で行くということにした。

朝9時過ぎに家族3人で家を出て、外環自動車道から東北道へ。途中佐野SAの先の大谷SAで一休み。ここはあまりごみごみしておらず、土産品やラーメンなどがよい感じに見える。

ランチは人から進められていた今市の「深山茶屋」を目指す。なかなかどっしりとした構えの雰囲気のあるそば屋さんだ。味はというと、うーん、普通かな。会計の時、店の大将と少し話す。もともとは湯西川に店を出していたらしい。車を鬼怒川に置いて電車で行こうと思うと話すと、「だいじょうぶですよー」と明るく言われた。湯西川には新しい道路ができてほぼまっすぐなので、アップダウンもなく問題ないとのこと。そこまで言われたら、ということで鬼怒川は素通りして、そのまま北上する。

途中、昔の定宿の川治温泉エリアを通ったのだが、ますますさびれた様子であり、以前の定宿もさびしそうなたたずまいをしていた。川治を過ぎて五里ダムを通り抜けると、雪がちらついてきた。すれ違う車の屋根に雪が積もっていて、妻と娘が少しびびっていたが、「あれはスキー場からの帰りだよ」と笑い飛ばした。湯西川駅前の「道の駅」で一休み。ここは今一つの感じだが、大きなしいたけは魅力的だった。

さてここからが、新しくなったという湯西川温泉への道。トンネルをおよそ10個弱通り抜ける。雪が結構降ってきたので用心して運転する。しかしここの辺りは、新興住宅っぽい新しい街並みができていて、この道路開発やら住宅の費用はどこから出てきているのだろうと思う。温泉街の手前に「水の郷」という施設があり、足湯や温泉、土産屋などがある。ここは結構近代的な建物だ。土産物も、サンショウウオの干物、目薬の木、山くるみなど結構キワモノもある。

さて、今回の宿は「花と華」。ホームページは近代的な印象を受けたが、実際の建物は重厚な雰囲気が漂っている。ロビーには年代物の鎧兜や琵琶も展示されている。3時前にチェックインし、さっそく温泉へ。
温泉は、露店付き檜風呂、露店付き大浴場、岩風呂とかなり豊富。それ以外に貸し切り風呂もある。粉雪の舞う中の露天風呂はなかなか格別なものだった。湯質は、硫黄分が少ない優しいアルカリ性だろうか?

さて食事は、離れの別棟でいろりを囲んで食べる。この建物は築300年とのこと。しいたけ、ニジマス、こんにゃくの囲炉裏焼き、きのこのホイル焼き、栃木牛の鉄板焼き、岩名とサーモンの刺身など。それぞれ工夫をこらしているが、まあ、まずまずといったところか?

翌朝も、岩風呂と大浴場に付いている露店を堪能し、朝食もたらふく食べ、早めにチェックアウト。人に勧められた平家もなかをまずゲット。店のお母さんの手首から見える彫り物に自分と嫁は目が釘付け。最中は、甘みを抑えた餡子と、ぱりぱりの皮が絶妙なコンビネーション。これはぜひまた食べたい。もう一軒、湯葉がお勧めだったのだが、店に看板が出ていない、店から出てきたお兄さんに聞くと「今日は休みで、品物も年末で宅配用でほとんど出てしまって、店に並べるものがない」とのこと。湯葉にはそれほどこだわりがないので、まあいいか。

せっかくなので、もう少し奥へ車で進み、「三十三観音堂」を参拝。この細い道を大型トラックが頻繁に通る。なにか開発工事をしているのだろうか?もっと先の平家狩人の里も行きたかったのだが、雪が結構あるのと、トラックとすれ違えないのとで、今回は止めておいた。

帰りに「水の郷」にもう一度より、オープン前だったので家族みんなで足湯をする。店のおばちゃんに、湯西川の開発のことを聞くと「あれはダムだねえ」と言う。昨日通ってきた道路のお金も、ダム開発のために国土交通省から出ているらしい。それで納得。

ということで、雪もうまいことすり抜けて、帰りは佐野プレミアムアウトレットにも寄り、無事に帰ってきた。

「水の郷」で買った「目薬の木」を煮だして毎日飲んでいる。何か体に変化があるかどうか楽しみだ。

結論としては、湯西川温泉は大変気に入り、来年もおそらく来るだろう。距離は200キロあるが、ストレスの少ないドライブなので特に抵抗はない。