6月読書

amigo_kimura2007-07-01

「蚊に喰われ 娘の顔が アンパンマン
昨夜は、娘と妻が犠牲になってくれたようだ。
すまんのお。


今日から文月(ふづき)=7月。

昨夜は1時近くまで本を読んで、なんとか6月も8冊を達成。
簡単に振り返ると・・。

1.「二十世紀の知的冒険」山口昌男
 山口昌男の深い知識に圧倒される。また、インタビュアーとして、相手と同等のレベルにあり、知のキャッチボールが出来ている。現代で、こんなことを出来る人が居るのだろうか?
2.「ソクラテスの弁明・クリトン」プラトン
 会社の同僚が週末MBAに通っているらしいのだが、そこで教材として使われたとのことで、それを貸してくれた。命題は、「ソクラテスはリーダーとしてふさわしいか?」ということだそうだが・・・。
まあ、ふさわしくないだろう。読んで思ったのは、ちょっと前の大河ドラマ新撰組」の中で出てくる山南さん。逃げようと思えばどこへでも逃げられたのに、武士としてのけじめをつけるためわざわざ戻って腹を切った。
リーダー、経営者ならば、もっと合理的に考えなければならない。
3.「堕落論坂口安吾
 短編集だが、自殺した太宰治への思いがストレートに表現されている「不良少年とキリスト」が良かった。これを読んだおかげでわしも四十過ぎて、太宰デビューが出来た。
4.「眼と文学」大岡昇平
 あまり内容は覚えていないのだが、この頃の文学界の図式として、小林秀雄中原中也埴谷雄高あたりだ浮かびあがってくる。
5.「六道遊行」石川淳
 忍びが、奈良時代と現代(といっても1970年代ぐらい?)を大木の裂け目(女陰をあらわしている)を通じて行ったり来たりし、それぞれの時代の問題に巻き込まれるという奇想天外の物語。ただし、現代の世界のストーリーにちゃんと落とし前がついていないような印象があり、やや消化不良。
6.太宰治全集(文庫)
 これについては、6月23日にちらっと書いたhttp://d.hatena.ne.jp/amigo_kimura/20070623
各短編に彼の人間性が生々しく表れていて、「女生徒」などでは、思春期の乙女のモードで書かれていて、それが絶妙に上手い。
この人は天才だな。
7.「西鶴人情橋」吉村正一郎
 ずばり、今月のベストワンはこの本でござる。残念ながら絶版らしいが。
実話にのっとって、独自のストーリーを展開する、司馬遼太郎さんのスタイルにやや似た感じ。これを読んで西鶴全集を買いたくなった。(買っちゃったけど)
8.「悲の器」高橋和巳
 今月は高橋和巳もデビューした。一冊のボリュームがすごいので、少し腰が引けたが、なんとか4日ぐらいで読み終えた。大学(おそらく東大)の法学部部長が、女性関係で家政婦に訴えられ大学を追われる、と一言で言えばそういう内容だ。
なんとなく、有吉佐和子の緻密さに共通するところもあるが、彼女のように深く読者を引きずりこむような迫力はない。しかし、別のなにかがあるような気がする。まだ一冊目なので、このぐらいのことしか言えない。


ということで、2007年上期はなんとか51冊読破。とりあえず、年間100冊は達成できるペース。


今日は午後合気道稽古。夕方ボクシングがあるが、昨日稽古をさぼったので行かないわけには行かない。
ビデオかな。