やがて哀しきバイオリン

娘は4歳からバイオリンをはじめているが、小511歳いよいよ岐路に立たされているというか、立たせたというか。

自分からなんとなくやりたいといって始め、1年前ぐらいまでは母親からやれといわれて練習して、発表会でもそれなりに弾いてきたのだが、今年7月の発表会はちょっとダメだったな。ちなみに去年の7月はバッハのブーレを堂々と弾いて、親としても「ふむふむ」と聴いたのだが。

そのぐらいから練習もぐだぐだで、これまでは耳コピでしのいできたようだが、いよいよ楽譜と向き合わなければならなくなり、それがイヤで仕方ないようだ。

そして「中学に入ったらやめる」というので、「そんなら今すぐやめちまえ!!」と言って、妻からもなじられたら大泣き状態。でも、我が家は泣きは通用しない。「泣くなら家から出ていけ!!」と言われるだけ。


さて、今すぐやめろは理由がある。
今月は音大の錚々たる先生方や卒業生、現役生徒のインタビュー音源を10本以上聴いて原稿を起こしていたが、なかなか含蓄のある言葉が多かった。

その中で、「音楽や絵画は情操教育なので、どういうレベルであれ続けることに意味がある。国のトップにそういうことを理解する人が現れれば、日本の文化レベルも上がって行くのだろうが」。
つまり我が国は、当然のことながら文化的にまだまだ幼稚なのである。
なので、中学でやめる程度のものならば、しかもそんなにダラダラやるのなら、今すぐやめろというわけ。

楽譜について。これは、高校まで進学校のリケジョで化学の道に進むはずが、なぜか音大のピアノ科に入り、今は個人で演奏しながら、某市の観光大使も務める人のインタビューから。
「ピアノは理系の人が多いんですよ。楽譜ってしょせん記号ですから、それを読み解くには理系の方が向いているんじゃないですかね。楽譜しか情報がない場合、作者がその曲で何を伝えたかったのかを理解するには、楽譜から読み解くしかないですから」。
なるほど、やはり楽譜は当たり前だが大事なんだ。
去年だか、同じ系列の仕事でダジャレの池辺先生が生徒が作曲した楽譜をチェックする場面に立ち会ったことがあるが、「この部分のメロディーはきれいだね。でも、この辺は汚いな」とさらっと言ってのけていた。

うーん、自分も音楽は続けていくので、楽譜の読み方は一度しっかり勉強しようかなと思った。

ということで、「もしバイオリン続けたいならば、まずママにまじめにやるから続けさせてくださいと頭を下げろ」と言ったら「いやだ」とほざきおったが、どうなることやら乞うご期待。


さて今日は、学校のある日でクラスの音楽発表を見て、おふくろのところへ行って、夕方は合気道稽古と割と詰まっておる。