脳科学とグレングールド

昨夜、自分の仕事に変化が起きる話を聞いたせいかー内容はまた今度だがー
少し興奮していたのか、今朝は4時過ぎに目が覚めてしまった。

朝風呂に入り、「神経心理学の挑戦」山鳥重・河村満ーを読み終わった。

脳科学、脳神経、神経心理学というかなり学術的な内容なのだが、最後の方に、芸術と脳の関係の話が出てきて、やや奇人的ピアニスト、グレン・グールドの話も出てきた。
グールドは50歳で死んでしまうのだが、死んだ時、枕元には聖書となぜか夏目漱石草枕が置いてあったそうだ。
グールドは晩年、草枕を朗読していたりしてたらしい。
草枕という小説は、神経心理学を端的にあらわすものでもあるらしい。
つまり「知・情・胃」。その部分をそのまま写してみよう。

山を登りながら、かう考えた。
 智に働けば角がたつ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に
人の世は住みにくい。
英語にすると。
Going up a moutain, I feel to thinking.
Approach everything rationally, and you become harsh. Pole along in the
stream of emotions and you will be swept away by the current. Give free
rein to your desires, and you become uncomfortably confined. It is not
a very agreeable place to live, this world of ours.

英語にすると、ことほど左様に説明っぽくなってしまう。
日本語というのは、やはりすばらしい言語なのだなと思う。
こんな長ったらしい英語であっても、グールドの琴線に触れるものがあったのだろうなと思うと感慨深く、さっそくLPでグールドを聴いたのであった。